kenzoestate

4月のワイナリー便り

写真に写っている葡萄畑はテイスティングルームの北東に広がる畑です。道路やテイスティングルームのお客様からは少々見えにくい場所にあります。

 

芽吹きの時期は、品種と場所(気温)で決まります。通常、白葡萄は赤葡萄より芽吹きが早いとされていますが、ここエステイトでは、ウッデンヴァレーの赤がどこよりも先に芽吹きを始めます。
ヴィンヤードマネージャーのサンティは、いつも最初に赤の剪定をし、その後、白の剪定をします。剪定によって芽吹きの時期が1~2週間ずれるので、それにより霜が降りる時期を避けることができるように、との配慮からです。

例年、霜の時期に早く発芽を迎えるブロックでは、サンティが2次剪定(ダブルプルーニング)を行います。これは、ケーン式ではなくコルドン式の仕立てで行われる剪定法です。通常は一度の剪定で、2芽を残して刈り込んでしまうところ、一枝あたり6、8芽ほどを残して刈り込みます。芽が膨らみはじめ、芽吹きの時期が近づくと、もう一度、2芽を残して刈り込みます。2回刈り込まれた葡萄樹は、剪定により発芽が2回遅れ、発芽の時期をできるかぎり遅らせることができるのです。

ワイナリーではラッキング(澱引き)が行われています。ボトリングが終了したこの時期は、一年で比較的時間のある時なので、澱引きを行うのが慣例です。赤の各ロットは、樽熟成される20か月の間に、3、4回の澱引きを行います。樽のフレンチオークのアロマとフレーバーが、果実のアロマとフレーバーとよいバランスで融合するように、約50%にフレンチオークの新樽、50%に再利用(ニュートラル)の樽を使います。通常、樽は4~5年の間使用し、毎ヴィンテージに新しい樽を買い足しながら、ニュートラルの樽と新樽のよいバランスを保っていきます。