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ナパ・ヴァレー便り―ハーベスト(葡萄の収穫)

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ケンゾー エステイトのワイナリーより近況が届きました。遂に始まったハーベスト(収穫)の雰囲気を少しでも感じていただけたら幸いです。

海抜が高い故に、じっくりと熟していく葡萄

8月になるとナパ・ヴァレーにあるワイナリーの多くが収穫を開始します。しかし、標高500メートルのマウントジョージの山間に位置するケンゾー エステイトの葡萄畑は、気候が冷涼で、葡萄が時間をかけてじっくりと熟すため、その収穫は、他のワイナリーに比べ半月以上も遅く始まるのです。8月の初旬、まだヴェレゾン(葡萄の色づき)が続いています。

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色づき始めるカベルネ・ソーヴィニヨンの実

収穫開始の指標は、果実の糖度

時間をかけてじっくりと熟していく葡萄ですが、ワインメーカー(ワインの醸造家)はどのようにして適切な収穫の時期を決めているのでしょうか。多くの条件のなかで重要な指標となるのが、葡萄の実の糖度です。

収穫の時期が近づくと、ワインメーキングのチームは朝早く葡萄畑の各区画へ出かけ、葡萄の実を摘み、ワイナリーのラボへと運びます。

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ビニール袋に入れられラボに集められた葡萄の実。
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「ME-A2」は「メルローのA2区画」という意味です。
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集められた葡萄の実を手で潰したジュースを試験管に入れ、糖度計にかけてブリックス(糖度)を計るのです。

ワインメーカーはこの糖度の推移を毎日チェックしながら、品種だけでなく、区画ごとに最適な葡萄の収穫日を決めていきます。昼間には摂氏35度を超える日も珍しくないナパ・ヴァレーですが、夜にはサン・パブロ湾からの冷たい空気が流れ込み、肌寒いほどに冷え込みます。この寒暖差が葡萄を豊かに育てる好条件となるのです。そして、湿った空気が朝靄を発生させ、夜明け前から葡萄畑を包み込んでいきます。

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朝靄が葡萄の果実に残していった朝露。

始まりはソーヴィニヨン・ブランから

9月に入ると、まず、ソーヴィニヨン・ブランが最適な糖度に達しました。いよいよ2022年の収穫の始まりです。

9月2日、午前1時15分。照明に照らされたソーヴィニヨン・ブランの畑で収穫が始まりました。熱や日照で葡萄の実が痛むのを防ぐため、収穫は夜中から早朝にかけて行われます。ヴィンヤードチームが手作業で葡萄を刈り取り、1トンコンテナに積み込んでいくのです。

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夜明けを迎える頃、ようやく初日の収穫が終了しました。葡萄はワイナリーに運ばれ、朝のうちにプレスにかけられて、タンクで発酵させます。こうして2022年の「あさつゆ」の原液が出来上がっていくのです。

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「あさつゆ」の2022年ヴィンテージがリリースされるのは来年ですが、2021年ヴィンテージはただいまオンラインショップにて販売中です。
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ケンゾー エステイトのワイナリーではツアーを実施しています。ツアー内容やご予約など、詳しくは下記よりご覧いただけます。
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