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ナパ・ヴァレー便り―新芽の剪定、赤ワインの澱引き、そして新たなる挑戦へ


ケンゾー エステイトのワイナリーより、5月の様子が届きました。葡萄畑では新芽の剪定、ワイナリーでは赤ワインの澱引きが行われました。そして、新たなる挑戦も始まっています。

 

葡萄のつぼみを守る送風機

春は葡萄のつぼみの開花、そして葡萄樹の成長の季節です。
 
朝3時、葡萄畑に設置された送風機(ウィンドマシン)が爆音を立てて回り始めます。4月の下旬になっても早朝はかなり冷え込むナパで、咲き始めた葡萄の小さなつぼみが凍えないように、上空の暖かい空気を地表近くに送るよう、葡萄畑マネージャーのサンティが、葡萄畑に設置された送風機のプロペラのスイッチを入れるのです。
 
広い葡萄畑に設置された送風機の効果は絶大で、たった数台の送風機のプロペラが作り出す空気の循環が、125エーカーに広がる葡萄畑の、小さな葡萄のつぼみを凍結から守ります。寒暖の差が激しいナパの葡萄畑には、ケンゾー エステイトに限らず、この送風機が至る所に設置されています。ナパをご訪問された際には、風車のように葡萄畑にそびえ立つ送風機を探してみてくださいね。

葡萄畑に設置された送風機で霜害対策。
送風機とサンティに守られて元気に育つ葡萄のつぼみたち。

 
 

まるで薄緑の絨毯のような葡萄畑

5月に入ると、葡萄畑では新芽の剪定(サッカリング)が行われます。一本の葡萄樹から2本の枝(ケーン)を地面と平行に伸ばし、そこから新芽を垂直方向へ伸ばしていくのです。葡萄の樹が茂りすぎて風通しが悪くなるのを防ぎ、新芽の健康な成長を促すため、枝ごとに5つの新芽のみを残し、それ以外はすべて摘み取っていきます。

ヴィンヤードチームにより丁寧に剪定される葡萄樹。

剪定を終えた葡萄樹は順調に新芽を伸ばし、葡萄畑はまるで薄緑の絨毯が敷かれたようです。開花、結実、ヴェレゾン、そして収穫へと、葡萄畑は豊かな実りへの準備を整えています。

若葉の新緑が美しく広がる5月の葡萄畑。

 
 

エレガントなワイン作りに欠かせない澱引き

ワイナリーの醸造所では、赤ワインの澱引きが行われています。ワイナリーのケーブでは、昨年秋に収穫された葡萄からできた2022年ヴィンテージの赤ワインがオークの樽で熟成中。その樽内に残る沈殿物(澱)を取り除くための作業が澱引きです。
 
ワインを樽から丁寧にくみ出し、同一の畑の区画からくるワインを大型タンクに移します。そして、樽をきれいに洗浄したらワインを樽に戻すのです。澱引きによりワインはより清澄になり、いったん大型タンクに移し替えることで、樽ごとに熟成状態に微妙に異なるワインを、より均一な状態で樽に戻すことができます。赤ワインの樽内での熟成期間、約20か月の間に、すべての樽に対して澱引き作業を4回行い、お客様に楽しんでいただける最高品質のワインを作り上げていくのです。

澱引きを行うワインメーキングチームの黒田さん。

 

白ワイン用の新たな葡萄畑「ジャンピングフィールド」を開墾中

今、ケンゾー エステイトでは、小さな区画ではありますが、新しい葡萄畑を開墾中です。「ジャンピングフィールド」と呼ばれる、ワイナリーの建物から南に下った一角に、白ワインの葡萄畑を作る予定です。
 
豊かな大自然に恵まれたケンゾー エステイトは、動植物たちの大切な生態系を育む土地でもあります。ナパ郡と環境団体による詳細なリサーチ、審査を経て、動植物の住処となる湿地(ウェットランド)は手つかずのまま残し、それ以外の生態系に影響を与えない区画を慎重に選び、そこでの開墾作業が始まりました。まずは、葡萄樹に最適な土づくりのため、地中に埋まった巨大な岩や石を取り除いていきます。そして、水はけをよくし、健康な根を育てるための排水システムを、土中に設置していくのです。
 
最高峰の葡萄、そして最高峰のワインを作るための、地道な作業の一つひとつがまた始まろうとしています。これからのナパ・ヴァレー便りで、葡萄畑が出来上がる様子をご紹介していきますので、お楽しみに。

苗木が根を伸ばすのに邪魔になる、地中に埋まっていた巨大な岩や石。

最後にテイスティングルームに咲くカリフォルニアポピーを。5月に入り、屋外のパティオでのテイスティングが大変に心地よい季節に入りました。夏休みのご旅行の計画はもうお決まりですか? ぜひナパを候補地のひとつに加えてみてはいかがでしょう。夏には葡萄の色づき(ヴェレゾン)が始まる美しい葡萄畑で、至福のワインテイスティングをご堪能いただけます。皆様のお越しをお待ちしています。

四季折々の表情は葡萄畑以外にも。

 


ケンゾー エステイトのワイナリーではツアーを実施しています。ツアー内容やご予約など、詳しくは下記よりご覧いただけます。

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