2025年5月、ワインメーカーズ・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた、ナパを代表するワインメーカー、ヘレン・ケプリンガーが、ケンゾー エステイトのコンサルティング ワインメーカーとして、正式に就任致しました。すでにケンゾー エステイトの醸造に参加し、フラッグシップの「紫鈴 rindo」をはじめ、プレステージワインである「藍 ai」や「紫 murasaki」、「明日香 asuka」のブレンドを手掛けております。
ヘレン・ケプリンガーの加入と記しましたが、正確には、生産者の辻本憲三夏子夫妻や栽培家のデイビッド・アブリューらのチームに復帰したというべきでしょう。ヘレンは、2005年のケンゾー エステイト開業時から、ハイディ・バレットとともに醸造チームに参加し、ケンゾー エステイトでのワイン醸造の礎を築いたひとりです。土壌や微小気候に伴う農法への理解を深めるため、デイビッド・アブリューとも緊密に連携し、信頼関係を深めていました。しかし、2010年、彼女は、自身のワイナリーであるケプリンガー・ワインズの創設に専念。その後、様々な経験を重ね、自らの存在価値を高めて、今再び、そのテロワールを知り尽くしているケンゾー エステイトへと戻ってきたのです。


ケンゾー エステイトの創業者、辻本 憲三は、ヘレンの復帰を次のように歓迎しています。
「20年前、ヘレンと一緒に、初めてワインづくりを始めた頃、醸造家としての、彼女の並外れた才能に驚かされたことを、今も鮮明に覚えています。そして、さらに成長し、比類なき名声を手にした彼女が、この清らかなテロワールに魅了され、再び戻ってきてくれたことに、この上ない喜びを感じます。今やナパを代表するワインメーカーとなった彼女が、ケンゾー エステイトをさらなる高みへと引き上げてくれることを確信し、今から胸の高鳴りを抑えることができません」
ヘレンも、ケンゾー エステイトへの復帰に向け、次のように述べています。
「ケンゾー エステイトのチームに再び参加できることは、この上なく光栄なことで、私自身の喜びでもあります。ここにある特別なテロワールへの理解を深め、これまで積み重ねてきた努力を生かして、より洗練された高品質のワインづくりを行えることを、本当に愉しみにしています」
ヘレン・ケプリンガーの類まれなる感性が、ケンゾー エステイトの美しいテロワールと調和し、新たなるエレガンスの幕が開きます。今後のケンゾー エステイトにどうぞご期待下さい。
ヘレン・ケプリンガー
プロフィール
ヘレン・ケプリンガーは、医学の学位習得を目指していたが、その後、UCデイビス校でワイン醸造の道へ進み、2000年に醸造学の修士課程を修了。UCデイビス校在学中に、パラダイムでインターンとして参加し、ケンゾー エステイトの初代ワインメーカーであるハイディ・バレットに従事。その後、サンタ・イネス・バレー(サンタバーバラ)のフィドルヘッド セラーズでアシスタントワインメーカーに就任し、ワインメーカーのキャシー・ジョセフとともに、少量発酵によるピノ・ノワールとソーヴィニヨン・ブランの醸造技術を学びました。
2004年には、スペインのプリオラート地方に移り、ワイナリー、セラーズ・メリスの立ち上げに関与し、2005年にナパへ戻り、ケンゾー エステイトのエステイト ワインメーカーとして、2010年まで、デイビッド・アブリューやハイディ・バレットとともに醸造を手がけ、ケンゾー エステイトのワインの礎を築く一端を担っていましたが、その後、夫のD.J.ワーナーとともに、自身のワイナリー、ケプリンガー・ワインズを創設。単一畑のローヌ品種に力を入れるとともに、グルナッシュ、シラー、プティシラーなどのブレンドワインなどで、注目のワインを提供してきました。
その後、スカリー ワインズ、アロー&ブランチ、フォート ロス ヴィンヤードのコンサルタントワインメーカーを務め、さらに、ブライアント ファミリー ヴィンヤードのワインメーカーに就任。ミシェル・ロランやクロード・グロ、デイビッド・アブリューらとの仕事を重ね、その職人技に磨きをかけてきました。近年では、グレースファミリー ヴィンヤードでもワインメーカーを務めています。
ヘレンは、「ワイン スペクテイター」誌の 2014 年 6 月号の表紙を飾り、同誌で、「ここ数年でカリフォルニアに登場したワインメーカーで、最もエキサイティングで革新的」と評され、2012年には、「Food and Wine」誌では、ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれており、今や、ナパで5本の指に入ると称されるワインメーカーとして注目を集めています。
【ケンゾー エステイト開業時のヘレン】



上(または左)から、デイビッド・アブリューとのツーショット。辻本夏子とは以前からの親友。ワイナリーオーナーの辻本憲三と、ファーストヴィンテージのボトリングに立ち会うヘレン